presenteeismプレゼンティーズムってなに?BBCで学ぶ英語勉強法(中級むけ)

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自分の英語の勉強継続のため、英検対策のため、そしてなんとなーく興味もあって、BBCのサイトで気になる記事を読みつつ勉強しています。
単語や表現などの英語の勉強をしつつ、日本のメディアで取り上げられないことを知ったり考えたりできるので気に入ってる勉強法です。

目次

BBCの記事で英語の勉強 今回のテーマは「プレゼンティーズム」

今回はこちらの記事「When so much at work has changed, why can’t we shake presenteeism?
「こんなに職場は変わったのになぜプレゼンティーズムpresenteeismを払しょくできないの?」を読みながら、英語の単語や表現をインプットしつつ、そもそも最近聞くようになった「プレゼンティーイズム」ってなんなん?海外におけるpresenteeism、今どうなってるん?という自らの疑問を解決していこうと思います。

英語中級者(~それ以上)向けになるかと思いますが、英検対策にもいいと思います。
興味のある方、元記事の英文を一緒に読みながら、よろしくお付き合いくださいね。

コロナ禍で職場は激変、でも変わらないもの・・それがプレゼンティーイズム

さて、記事タイトル 「When so much at work has changed, why can’t we shake presenteeism?
「こんなに職場は変わったのになぜプレゼンティーズムpresenteeismを払しょくできないの?」


まず英語学習的に気になったのは、why can’t we shake presenteeism?の動詞、shakeです。

shake 振る、振り動かす、揺すぶる振り払う

shake という動詞、ここではただの「振る」ではなく、他動詞でget rid of の意味で使われてますよね。
shakeを使うにしても「振り払う」の意味で使うならoffをつけたい気になるところですが、調べたところ、どうやらoffなしでも「振り払う」の意味も持つようです。もちろんoffつけて、 Why can’t we shake off presenteeism?でもOK.
新聞やニュース番組の英語では、省略しても意味が通じる前置詞などは、特にタイトルにおいてはより省略されやすいです。よく考えれば日本語の新聞でもタイトルはできる限り短くして簡潔にしてありますよね。
文字数を減らすことで、パッと見て一瞬で内容がわかりやすい、というメリットがありますね。

さてさて、日本では一時期増えたリモートワークも最近なぜかどんどん減っていて、このくっそ暑い(言葉づかい悪くてすみません)のに満員電車で出勤をしいられることも多いようで、なーんでこんな無駄なことを・・と思っていたところなので、海外での現在の働き方に興味を持ち内容を読み続けてみました。

すべてが変わった、しかし「長時間働いてます!」のパフォーマンスは残り続ける

The pandemic changed nearly everything about work. Why are we still stuck with performative long hours?

https://www.bbc.com/worklife/article/20230718-post-pandemic-presenteeism-overwork-culture

「パンデミック(コロナ禍)で仕事はほとんどすべてといっていいほど変わった。なぜ私たちはいまだにパフォーマンス的な長時間労働から抜け出せないのだろうか?」

performative long hours パフォーマンスとしての長時間労働

(本来は必要ではないかもしれないのに)パフォーマンス、見せかけのための長時間労働」がこの記事のテーマなようです。

キャリアと価値観の見直し、堅苦しい伝統の払しょく

The conditions of the past three years catalysed a full re-evaluation of careers and values, and subsequently dislodged some staid traditions that have bogged down workplace progress.

https://www.bbc.com/worklife/article/20230718-post-pandemic-presenteeism-overwork-culture

「この3年間の状況(コロナ禍)は、キャリアと価値観を全面的に見直すきっかけとなり、職場の進歩を妨げてきた昔ながらの伝統を取り払った。」

リモートワークやフレックスタイム制度の導入など、従来の働き方にとらわれない多様な働き方が一般的になり、従業員は自分に合った働き方を選択できるようになり、キャリアに対する考え方も柔軟に変化したようですね。
また、徹底的なシャットダウンにより、経済的な不安定要因や、特定の業種へ大きな影響が出たことで、一部の人々は職業の選択を見直す機会を否応なく得たようです。

catalyse触媒する

ここでも注目は動詞の catalyse触媒する」。そのまま「触媒する」と訳してしまうとぎこちなくなるので、「きっかけとして作用し変化を起こした」という意味ととらえました。

bog down  「泥沼に落ちこむ

bog が名詞だと「沼地」なんですね。同形で自動詞にもなって「沼にはまり込む」(他動詞もあり)
なんとなく、音的にボコボコ・ズブズブはまる泥沼はイメージできそうです。

subsequently 「後に」

です

文脈的に、consequently「結果として」でもいいんじゃないかと思ったんですが、前段との因果関係が consequently を用いるほどははっきりしていない、ということでしょうか。時間的な「そののち」after that に近いニュアンスで用いられていますね。

コロナをきっかけに始まった新しい仕事の世界、フレックス制やリモートワーク、週の就労時間の短縮など、働き手の人たちはこれまで欲しかったものを手に入れた、Despite this「にもかかわらずしかし」続きます。

Despite this, however, one entrenched feature of business culture that’s proved tough – and in some cases impossible – to shift, is presenteeism.

https://www.bbc.com/worklife/article/20230718-post-pandemic-presenteeism-overwork-culture

「しかし、それにもかかわらず、企業文化の根強い特徴のひとつが、プレゼンティーイズムである。」

リモートワークや就業時間短縮など、うらやましい変化を手に入れた方たち、でも根強く変わらないもの、それがプレゼンティーイズムpresenteeism

presenteeism 疾病就業。病気でも出勤することで遂行能力が低下している状態

そもそもプレゼンティーイズムってなに?ですよね。

経産省の出しているPDF資料にリンクを張ります。
プレゼンティーイズムは

WHO(世界保健機関)によって提唱された健康問題に
起因したパフォーマンスの損失を表す指標です。プレゼ
ンティーズムとは、欠勤にはいたっておらず勤怠管理上
は表に出てこないが、健康問題が理由で生産性が低下
している状態

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/kenkokeieioffice_report.pdf

だそうです。

プレゼンティーズムとは

病気や疲労・・健康状態としてはお仕事してる場合じゃない、でも上司の手前休めないなぁ、疲れてる、とか微熱とか、そんなことくらいで休めないよなぁ、といやいや出勤、いちおう仕事には来てみたものの、仕事効率は落ちている、そんな無理して「やってます」「仕事に来てます」「ちゃんと働いていますよ」のアピールのために稼働することをプレゼンティーズム、というんですね。

コロナ禍でかわったもの、変わらないもの
根強く変わらないものとして、「やってますよ」のための無理して働く姿勢、効率が悪いのはわかっているのになぜ・・・

The overnight switch to home-working in the pandemic undoubtedly increased some people’s workloads, as they were unable to switch off metaphorically and literally – Lucy Kallin
「パンデミック(世界的大流行)の中、一晩で在宅勤務に切り替えたことで、比喩的にも文字通りの意味でもスイッチを切ることができず、仕事量が増えた人がいるのは間違いない。」

新しい働き方で悪化したプレゼンティーズム

The overnight switch to home-working in the pandemic undoubtedly increased some people’s workloads, as they were unable to switch off metaphorically and literally – Lucy Kallin

https://www.bbc.com/worklife/article/20230718-post-pandemic-presenteeism-overwork-culture

コロナ禍前も、上司の手前帰りにくいとか、長時間労働がよしとされた風潮はあった。リモートワークが導入され、上司の目を気にすることなく仕事ができるかと思いきや・・・

metaphorically and literally メタファー(比喩)としても、文字通りにも

literallyは「文字通り」という意味(どうも文字通りではないときに使う人も多いようですが・・・) metaphorically は「(文字通りではなく)比喩として」

職場と自宅、リモートワーク導入によって物理的に違う空間と切り離すことができなくなったことで、仕事の時間とプライベートな時間を分けにくくなった、という側面があるそうです。
また、比喩的にも文字通りにも、仕事のスイッチを切ることができず、一部の人々の仕事量が増加しているんだそう。

Brown adds as businesses scrambled to stay solvent amid Covid-19, employees may also have felt additional pressure to be excessively present.

https://www.bbc.com/worklife/article/20230718-post-pandemic-presenteeism-overwork-culture

ビジネスが(stay solvent) 支払い能力を維持するためにスクランブル状態になり、それと同時に従業員も過度に出席するようさらなるプレッシャーを感じていた可能性がある。

のだそうです。

上司の目がなくなったからと言って、会社の緊急事態においては、本当に働いているかどうか可視化されにくいリモートワークは、逆にプレッシャーとして働き、それがコロナ禍前よりもさらに過剰な労働を強いる環境となっている、ということなんですね。

Lead by example 模範を示す

Cultures of presenteeism may have survived the pandemic, but that’s not to say that they’ll be here forever. To dislodge them, though, the impetus is largely on employers to understand why the behaviour is so entrenched, and subsequently remedy it in their cultures. 

「プレゼンティーイズムの文化はパンデミックを生き延びたかもしれないが、それが永遠に続くというわけではない。
しかし、それを払拭するためには、なぜそのような行動が定着しているのかを理解し、その上で自社の文化の中でそれを是正すること、そして、その文化を改善することが、雇用者に課せられた大きな課題である」


not to say わけではない

not to sayは「‥といわないまでも」と程度を表したり「~と言うつもりはない」や、「~とは言わない」の意味で使われますが、この文脈だと「~なわけではない」で訳すと日本語としてわかりやすいと思います。
参考

impetus 勢い、はずみ、刺激、運動量

これが一番悩みました。
impetus の意味を英和の辞書で調べると、勢い、はずみ、刺激、運動量などが出てきます。

そして、英英辞書で調べると

something that encourages a particular activity or makes that activity more energetic or effective:

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/impetus

「特定の活動を促したり、その活動をよりエネルギッシュにしたり、効果的にしたりするもの」
とあります。
つまり、impetusは、「とある方向に動かすための勢いであったり力」のことだと思われます。
impetusが  is largely on employers、雇用主の上に大きくのしかかっている。
なんのためかというと、 to understand why the behaviour is so entrenched, and subsequently remedy it in their cultures. 「なぜそのような行動が定着しているのかを理解し、その上で自社の文化の中でそれを是正すること、そして、その文化を改善すること」
このような動きをするための力が雇用主にのしかかっている、といいうことで「課題」と訳しました。

entrenched 凝り固まった 確立した、堅固に身を固めた

entrenchになると動詞で「ざんごうで囲む、ざんごうを掘って身を隠す、身を守る、自分の立場を固める
trench と頭のenをとると、名詞になって「(深い)溝(みぞ)、壕(ごう)、堀、掘り割り、(軍隊の)塹壕(ざんごう)」なんだそうです。
トレンチコートって、もともとはイギリス陸軍の開発した寒冷地用の防水コートで、トレンチ(塹壕)戦でその耐候性を発揮したものが起源だったのだとか。*ウィキペディア参照
がっちり身を守る、というイメージがそこに漂いますね。

そこから、entrencedと過去分詞になると、「確立した、堅固に身を固めた」とかガチガチに固まった、という形容詞的意味になります。
なので「定着している」と訳しました。

Still, much continues to change in the workplace, so workers can stay optimistic that even this boulder may eventually move.

https://www.bbc.com/worklife/article/20230718-post-pandemic-presenteeism-overwork-culture

「それでも、職場では多くの変化が続いている、この巨石さえもいずれは動くかもしれないと、労働者は楽観的でいることができる。」

と記事はまとめていました。
ここでの注目は、muchが主語になっていることですね。

いかがでしたか?

日本でももっとリモートワークちゃんとやればいいのに、と思っていましたが、リモートはリモートでいろいろと大変なんですね。

私はこんな感じで、日々興味のある新聞記事をネットで見ながら、英語の勉強に役立てています。
今回は、プレゼンティーズムについて考えながら読み進め、気になる単語を拾い集めながら拙訳も載せてみました。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

*この記事を書いた人*
JUJU〈寿崎〉 加純

大人のやり直し英語講師

・企業様のTOEIC講習委託講師

・福岡県職業訓練TOEIC講習委託講師

・個人の生徒様のやり直し英語・TOEIC・英検・高校受験大学受験

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