似ている英単語は、英語学習者にとって本当に悩みの種。
中でも、「adopt」と「adapt」。これはまぎらわしい。
意味は・・・違うといえば違うのですが、なんとなく意味の持つイメージが似てるのです。
一方は「受け入れる」
もう一方は「適応する」
同じではない、でも微妙に似てる。
スペルも似ていてすぐ読み間違えるし、
当然発音も似ていて、本当にまぎらわしいかぎりです。
今回はこの「adopt」と「adapt」を
語源やイメージを活用して、効果的にどちらがどちらか区別できるようになる覚え方をご紹介します。
違いは、というと当然
oとaですよね。
この記事を読めば、「adopt」と「adapt」
どっちがoでどっちがaなのか瞬時にわかるようになり、
今後、自信を持って使い分けられるようになります。
この二つの単語の意味、使い方、例文も当然丁寧に解説していきますよ。
では、今回も頑張りましょう。
adoptとadapt それぞれの意味
ではまず、adoptとadapt、それぞれの意味を知ることから始めましょう。
adopt の意味 受け入れる
「adopt」は「養子に迎える」「取り入れる」という意味の動詞。
新しい考え方や生活様式などを受け入れるといった場合に使われます。
adoptの意味をweblio辞書で調べる
https://ejje.weblio.jp/content/adopt
採用する、(自分のものとして)取り入れる、(会議で)採択する、(正式に)承認する、養子にする、(…に)養子として引き取る、公認する、指名する
一方、adapt の意味は 適応する
「adapt」は「適応する」「順応する」という意味
自分の状況や環境に合わせて、変化することを指します。
例えば「多くの動植物が環境の変化にadapt(適応)して生き延びる」などと使います。
weblioでadaptの意味を調べると・・
https://ejje.weblio.jp/content/adapt
(…に)(修正改変して)適合させる、順応する、慣れる、改造する、改作する、脚色する、(…を)翻案する
「受け入れる」と「あわせて変化する」
なんとなく、似てはいるのですが、やはり違う意味です。
「adopt」は取り入れること
「adapt」は状況に合わせること
もう少し詳しく見るなかで、違いをしっかりイメージできるようにしましょう。
どうやってadoptを覚える?
adoptとは?分解して意味を語源で覚える
adoptは「養子に迎える」「取り入れる」などの意味の動詞。
新しい考え方や生活様式などを受け入れるといった場合によく使われます。
つぎに、adとoptにわけてみてみましょう。
「adopt」の覚え方 ad – opt 「オプションを選ぶ」
「adopt」の意味は、ad とoptにわけると、とてもイメージしやすくなって覚えやすいです。
ad-の語源は ラテン語の“ad” 「~に向かって」という意味を持ちます。
opt-の語源はラテン語の“optare”は「選ぶ」「選択する」という意味の動詞です。
このoptareは、英語のopt(選ぶ)の語源でもあります。
なので adopt = ad + opt 「~に向かって」+「選ぶ」 という意味
カタカナ語で「オプション」ってありますよね。
選択肢のことです。
いろいろあるなかから、自分が必要とするもの、好きなものを選び取ることができる
それがオプションですね。
オプション=option (選択肢・選べるもの)
ad(向かって)+opt(選ぶ)
オプションに向かって、そこから「選んで取り入れる」という意味になります。
何らかのオプションの対象(アイデア、信念、子どもなど)があり
それを判断して選択して迎え入れる、取り込む
という意味がadoptにはあります。
あらかじめ決まっているものを受動的に受け入れるのではなく、
魅力や価値観などと照らし合わせ、自発的に選択で選ぶんですね。
“The era name ‘Reiwa’ was adopted as the new imperial era name for Japan.”
「新しい元号として、『令和』が採用(adopt)された」
いくつもの新元号の候補(オプションoption)に向き合い(ad)
そのなかから「令和」がadoptされたわけです。
「迎え入れる=adoptする」という行為には、向かい合って判断して選択する、
というプロセスが存在しているのです。
自ら能動的に、新しい概念や物事を自分の中に選び、それを取り込み、受容する、
といった意味を持っている。
それが、adopt
adoptを覚えるコツ o→「オプション」
adoptは、ad+optでしたね。
なので、adoptの意味を思い出すには、
oをみて、「オプション」のほうだ、と思い出すことです。
あ、oがある、オプションを選ぶ、adoptだね
「オプションを選び取って、受け入れるんだ。」と思ってください。
どうやってadaptを覚える?
adaptとは?分解して意味を覚えやすく
では次に、adaptも分解して意味を覚えやすくしていきましょう。
adaptは「適応する」「順応する」という意味の動詞です。
環境や状況の変化に合わせて自分が変化することを指しています。
さっそく、adとaptにわけてみてみましょう。
「adapt」の覚え方 ad – apt 「ふさわしいほうへ向けて順応」
ad-の語源は ラテン語の“ad” 「~に向かって」という意味でしたね。
apt は「適切な、ふさわしい」という意味の形容詞です。
aptの語源は、ラテン語の「aptus」です。aptusは「適合する、適した、適切な」という意味です。
apt 「適当な、ふさわしい」ほうへ、“ad” 「~に向かって」向かっていく
ここから、「適応する」「順応する」という意味になります。
ふさわしいものに向かうために「適応し、順応する」んですね。
adaptの語源 ラテン語の「adaptare」
ちなみに、adaptの語源はラテン語の「adaptare」
ラテン語の「adaptare」は、「to fit」(適合させる)や「to adjust」(調整する)などの意味を持ちます。
何かを他に合わせたり、調整したりすることを表していますね。
したがって、「adaptare」から派生した英語の単語「adapt」も、
新しい状況にうまく合わせたり、適応したりする能力を指すようになりました。
adapt は
ad(向かって)+apt(ふさわしい)
何かに向かって、ふさわしくする、「~に適合させる、~に合わせて変える」という意味の動詞なんですね。
adaptを覚えるコツ a→「ふさわしい」
adapt は
ad(向かって)+apt(ふさわしい)でしたね。
なので、aを見たときにapt(ふさわしい)が思い出せれば
ふさわしいものに向かって、「適応し、順応する」んだな、と思い出せるはず
なのですが
apt「適切な」「ふさわしい」がすぐに思い出せればいいのですが
aptをweblio辞書でみる
aptという単語になじみがない方も多くいると思います。
そこで、aptになじむために、
aptを語源に持つ単語をいくつかリストアップします。
- aptitude – 適性、才能
- inapt – 不適当な
- aptly – 適切に
- aptness – 適性
- aptest – 最も適した
- aptitudinal – 適性の
- aptitudinous – 適した
- aptly – 適切に
adaptを覚えるコツその2 ACアダプター(適応させるもの)
aptのaが「適切」に結びつきにくい
aのほう・・なんだったっけ?と思ったら
思い出してほしいのが「ACアダプター」
家電には、「アダプター」がついていて、そのアダプターを使って、
その電化製品を家庭のコンセントにつなぎます。
あれは、そのままではその家電には使えない電気を、
使える形に変化させて家電に電気を供給しています。
つまり、電気を家電に合わせて「適応」(adapt)させているんですね。
adoptとadaptの使い方を例文で解説
adoptの主体は自分で、新しいものを取り入れる際には主体的。
adaptの主体は環境など自分以外のもの、影響を受けそれによって自分が変化していく、受け入れる側。
何かを採用する側adoptと、
その採用によって起きた変化に適応adaptする側
という視点でみていきます。
このイメージの違いを、例文を使って覚えていきましょう。
“adopt” と “adapt” の意味の違いをイメージに落とし込みながらみてください。
“adopt” のほうは、オプションの中から選んで採用
“adapt” のほうは、適する(apt)かたちに自分を変化させて順応
ですよ。
“The family decided to adopt a new pet.”
(その家族は、新しいペットを受け入れることを決めた)
家族が新しいペットを受け入れ、家族の一員として採用することを示しています。
“adopt” 新しいものを選び、受け入れています。
“The new pet has adapted to its family.”
(その新しいペットは、その家族に適応した)
先ほど受け入れられた新しいペットは、家族に適応し、なじみました。
“adapt” 新しい状況や環境に適応できるように自分を調整しました。
このように、adoptする側と、それにadaptしていくほうという例文のセットにしてみると覚えやすいですね。
いくつかさらに例を挙げます。
“The teacher decided to adopt a new learning method.”
(その先生は新しい学習方法を採用することにした)
“The student has adapted well to the new teaching style.”
(その生徒は新しい教え方によく適応した)
“The company decided to adopt a new technology.”
(その会社は新しい技術を採用することにした。)
“It took some time for the employees to adapt to the new software system.”
(従業員が新しいソフトウェアシステムに適応するのには多少時間がかかった。)
“The gardener decided to adopt a new watering system for the garden.”
(庭師は庭に新しい散水システムを採用することにした。)
“The plants adapted to the change in watering.”
(そこの植物たちは水やりの変化に順応した。)
“The team decided to adopt a new strategy this season.”
(チームは今季、新たな戦略を採用することを決めた)
“The players adapted to the changes in how they play.”
(選手たちはプレー方法の変化に適応した)
adoptとadaptの発音の違い 音声で確認
adoptの発音
How to pronounce adopt
UK/əˈdɒpt/
US/əˈdɑːpt/
UK(イギリス英語)のadoptは /əˈdɒpt/
/ə/ -ではじまります。
この部分は不明瞭母音。曖昧なaの音。”uh”みたいな音です。
/ˈd/ dの音です。/ˈ/がついているので、ここを強く読むアクセントです
/ɒpt/ のɒは 口をあけるが舌の位置はそれほど上げずに発音する「お」の音です。
なので音的にはDOPに近くなります。
つまり、UK英語でのadoptの発音は、アクセントを2番目の母音に置き、「uh-DOP-t」と発音します。
無理やりカタカナにすると「アドプト」に近いです。
US(アメリカ英語)のadoptは /əˈdɑːpt/
/ə/ -ではじまります
UKと同じく、曖昧なaの音。”uh”みたいな音ではじまります。
/ˈd/ dの音です。/ˈ/がついているので、ここを強く読むアクセントです
/ɑːpt/のɑːは、口を大きく開いて舌の位置を低くした「あ」の音を長く伸ばして発音する、ということになります。
つまり、US英語でのadoptの発音は、アクセントを2番目の母音に置き、「uh-DOHP-t」
無理やりカタカナにすると「アダープト」みたいな感じですね。
adaptの発音
How to pronounce adapt
UK/əˈdæptz/
US/əˈdæpt/
発音記号で見ると、イギリス英語もアメリカ英語も、ほぼ同じ音のようです。
/ə/ -ではじまります。曖昧なaの音。”uh”みたいな音です。
/ˈd/ dの音です。/ˈ/がついているので、ここを強く読むアクセントです
/æ/前舌狭母音で、日本語にはない英語ならではの母音。「アェ」みたいな音、エの口の形でアを言うつもりの音
最後のptの部分だけ、UKとUSが違います。
UKが/ptz/、USが/pt/
これは、イギリス英語のほうがtをはっきり発音することによるものです。
両方とも子音のpとtを言ってるだけなんですが、UKのほうが最後のtの破裂音をくっきりさせます。
adoptとadaptの違いのまとめ
adoptはoがついているほうだから「オプション」を選び取り、採用するほう。
オプションに向かい合い、一つを選びとり、選んだものを受け入れる。
一方adaptは「順応する、適応する」という意味
自分が置かれている環境の変化に対し、自分側が変化することで対応していくこと。
adaptはaがついてるほうだから、apt適切なものに適応するために変化するほう。
アダプター(adapter)は、適応させるために変化させるもの。
いかがだったでしょうか?
adoptとadapt、もう迷わなくなったと思います。
このブログでは、区別しにくい単語を、二度と迷わなくなる解説をシリーズでやっています。
他にも取り上げてほしい、ややこしい似ている単語があったら、コメント欄からお知らせください。
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