「inspire」「aspire」「expire」の違いを語源からわかりやすく解説!
「inspire」「aspire」「expire」
区別できますか?
見た目も音も似てるし、なんだかややこしいですね。
おまけに意味も微妙に似ている部分があるので一度覚えたつもりでもすぐごっちゃになってしまいます。
この三つの単語の意味を、まずはざっくりおさえておきましょう。
- inspire =「心を動かす、感動させる」
- aspire =「高みを目指す、志す」
- expire =「終わる、期限が切れる」
うーん、やっぱりややこしい。
この三つ、似ているのは実は当たり前なんです。
みっつとも語源が同じなんですよね。
すべてラテン語の「spirare(息をする)」から派生してきました。
その「spire(息をする)」の前に、それぞれ「ad-」「in-」「ex-」という接頭辞がついています、これらの三つの接頭辞の違いによって「息(≒精神)の向かう方向」が変わることで意味がそれぞれ違ってるんですね。
この記事では、この語源と接頭辞の視点から3つの単語の意味と使い方の違いをわかりやすく整理整頓。
こうすることで、単語の意味が自然にイメージでき
丸暗記でなく意味が心にしみこむことで、今後迷わず使い分けられるようになりますよ。
それでは早速、語源で覚える「inspire」「aspire」「expire」の違いを見ていきましょう!
「-spire」の語源と「息・精神 (spirit)」のイメージ
「inspire」「aspire」「expire」、ぜんぶ ーspireの前になにかが付いた形
というところまではわかってきましたね。
では「spire」とはなんでしょう?
これらは全部ラテン語の 「spirare(息をする)」 という動詞に由来しています。
注:尖った棒や教会の尖塔などをあらわすspireは、全く違う語源
(中英語 spire → 古英語 spir → ゲルマン語系の語根で「とがった棒、茎、柱」などを意味)
なので「inspire」「aspire」「expire」のspireとは無関係なことに注意。
この「spirare」は英語の “spirit”(精神、魂)などの語源にもなっています。
もともとラテン語の spiritus は「息・呼吸・魂・生命・活力」をすべて含んでおり、「呼吸すること=生きること・精神のはたらき」 とされていたんですね。

「inspire」「aspire」「expire」は、
“spirit” (精神)がどうなるか、ということから意味をイメージすることができるようになります。
頭に注目!「ad-」「in-」「ex-」が示すそれぞれの意味の違い
「ad-」「in-」「ex-」接頭辞の基本的な意味と方向性
では、どうイメージしていくのか。
キーとなるのは接頭辞です。
「in-」「ex-」「co-」とか・・単語の頭によーくくついてるよなー、という印象ありますよね?
これらのことを接頭辞といいます。
接頭辞とは英単語の最初についている 「パーツ」
この頭についている接頭辞に注目することで、意味のヒントがなんとなくつたわってくきます。
この「接頭辞」は、単語全体の方向性やニュアンスを決めるカギ。
たとえば──
- in- は「内に」
- ex- は「外へ」
- ad- は「目標の方向へ」
といったイメージ。
この「方向の違い」が、単語の意味の違いにそのままつながっていきます。
わかりやすい例としては、import(輸入)とexport(輸出)。
importの im- の部分は in- の変形で、「内に」+ port(運ぶ)→ 「内に運ぶ」=輸入。
export の ex- は「外へ」+ port(運ぶ)→ 「外に運ぶ」=輸出 。
どうですか?
このように、接頭辞があらわす方向性を知っていると、初めて見る単語でもなんとなく意味が推測できるようになることがわかりますよね?
接頭辞、覚えてるととっても便利なものなんです。
表で見る「ad-」「in-」「ex-」のニュアンスと代表単語
そんな、知っていると便利な接頭辞
今回紹介する in-, ex-, ad- はもちろん、その他の代表的なものをご紹介します。
接頭辞 | 意味・方向性 | ニュアンスの焦点 | 代表的な単語 |
---|---|---|---|
in- / im- | 内に、内側へ | 内部に取り込む、満たす、内面の作用 | input, import, inspire, include |
ex- | 外に、外側へ | 外へ出す、外に向かう、発散する | export, exit, expire, exclude |
ad- / ac-/af- | ~へ(目標の方向) | 対象に近づく、影響を与える、働きかける | aspire, address, adapt, affect |
re- | 再び、元に戻る | 繰り返し、元に戻す、反応する | repeat, return, replay, respond |
sub- | 下に、下位に | 下にある、基盤、隠れるような関係 | subway, subscribe, subconscious |
pre- | 前に、事前に | 時間的に先、優先 | prepare, predict, preview |
dis- / di- | 否定、分離、反対 | 分ける、逆の動き、無効にする | dislike, disconnect, disappear |
con- / com- | 共に、一緒に | 協力、同時、合体 | connect, combine, communicate |
trans- | 向こうへ、越えて | 移動、変化、通過 | transport, translate, transform |
4. inspireの意味と使い方|なぜそんな意味に?語源で納得
接頭辞のそれぞれのイメージが分かったところで、いよいよ「inspire」「aspire」「expire」の意味をしっかり理解していきます。
まずはinspireから
inspireは
in-(内に)+ spire(息)
ですね。
spirare は、英語の spirit(精神・魂)の語源でした。
これで納得、inspireの意味 spiritを吹きこむ
つまり inspire = 精神を内側に吹きこむこと。
このイメージから、inspire には以下のような意味が生まれました:
- 🔥 感動させる:誰かの心に強い思いやアイデアを吹き込む
- 💡 ひらめきを与える:内面に創造力や考えを芽生えさせる
- 🙏 鼓舞する・奮い立たせる:やる気や希望のエネルギーを内に向かって吹き込む
cambridge辞書でinspireの意味
ケンブリッジ辞書でinspireの意味を調べてみるとこんな感じ(一部に日本語訳を加えました)
inspire verb [T] (ENCOURAGE) する気にさせる、自信を与える
B2
to make someone feel that they want to do something and can do it:
(誰かに何かをしたい、できると思わせること)
A drama teacher at school had inspired Sam to become an actor.
(学校の演劇の先生が、サムに俳優になる気にさせた)
inspire verb [T] (FEELING) 感情
B2
to make someone have a particular feeling or reaction:
(誰かに特定の感情や反応を起こさせる)Robson’s first task will be to inspire his team with some confidence.
(ロブソンの最初の仕事はチームに自信を持たせることだ。)He inspires great loyalty in his staff.
(彼はスタッフに大きな忠誠心を与える。)inspire verb [T] (PROVIDE IDEA) アイデアを提供する
B2
to give someone an idea for a book, play, painting, etc:
(本や演劇、絵画などのアイデアを誰かに与える)
[ often passive ] The television drama was inspired by a true story.
(そのテレビドラマは実話から着想を得た)
inspireの例文・使い方でさらに納得
たとえばこんな使い方ができます
Her story inspired me to try something new.
(彼女の話は、私に新しいことに挑戦する勇気を与えてくれた)
どうでしょう?
inspire の意味が心にしっかりしみこんできましたか?
inspire はただの「感動」ではなく、
誰かの「精神」にエネルギーを吹き込むようなイメージです。
イラストで納得 inspireのイメージ

5. aspireの意味と使い方|語源でわかる「高みを目指す」意味
では続いてaspire
aspireは
ad-(~へ)+ spire(息)
ですね。
これで納得、aspireの意味 spritを吹きだす
つまり、aspire = 精神を目標へ向けて吹き出すこと。
inは内側に迎え入れますが、adは反対に外に吹きだしていくイメージです。
このイメージから、aspire には以下のような意味が生まれました:
- 🎯 熱望する:心が強く目標や理想に向かっている状態
- 🧗 高みを目指す:精神が高いところへ向かって伸びていく感覚
cambridge辞書でaspireの意味
ケンブリッジ辞書でaspireの意味を調べてみるとこんな感じ(日本語訳を加えました)
to want something very much or hope to achieve something or be successful:
(何かを強く欲したり、何かを達成したり成功したりしたいと願ったりすること。)
aspireの例文・使い方でさらに納得
たとえばこんな使い方ができます
She aspires to become a doctor.
(彼女は医者になることを強く望んでいる)
ここでは、彼女の「精神」が将来の夢である「医者」へ、明確な目標に向かって動いている、ということですね。
イラストで納得 aspireのイメージ

6. expireの意味と使い方|語源からわかる「終わる・期限切れ」の意味
では、今度はexpire を spirit(精神) のイメージでとらえ、先に説明した inspire・aspire と比較してみましょう。
expire はラテン語の
ex-(外へ)+ spirare(息をする=spirit)
が語源。
これで納得、expireの意味 spritが抜けていく
つまり、expire = 精神が外へ抜けること。
この「spirit(息・魂)」が体の外へ出ていくイメージから、以下のような意味が生まれました
- 🫢 息を引き取る → 死ぬ
- ⏳ 期限が切れる → 命や効力が終わる、尽きる
cambridge辞書でexpireの意味
ケンブリッジ辞書でexspireの意味を調べてみるとこんな感じ(日本語訳を加えました)
If something that lasts for a fixed length of time expires, it comes to an end or stops being in use:
(ある一定期間存続したものの期限が切れ、それが終わる、または使用できなくなること)
expireの例文・使い方でさらに納得
His passport expired last week.
(彼のパスポートは先週、期限切れになった)
The old man expired peacefully.
(その老人は静かに息を引き取った)
イラストで納得 exspireのイメージ

7. まとめ:語源で理解する意味と使い方の違い
inspire aspire expire、それぞれの「息の方向」を表にしておさらいしましょう。
単語 | 接頭辞 | spire(精神)の向き | イメージ |
inspire | in | 精神が「内に」入ってくる | 感動させる、ひらめきを与える |
aspire | ad (a-) | 精神が「目標へ」向かっていく | 高みを目指す、熱望する |
expire | ex | 精神が「外へ」出ていく | 息が絶える、期限が切れる |

9. おわりに
inspire aspire expireの意味と覚えやすくなる手掛かりを書いてみました。
接頭辞って、実は単語の意味をつかむヒントになることがわかっていただけたでしょうか。語源も意味をイメージするのに役立ちましたよね。
「inspire」「aspire」「expire」も、接頭辞と語源を知るとスッと理解できて、記憶にも残りやすくなったと思います。
今回はイメージ図も作って、感覚的に覚えられるように工夫してみました。
みなさんの英語学習のヒントになれば嬉しいです!
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