“Spill the beans” 「豆をこぼす」英語のイディオムを深掘り研究
映画やドラマを見ているとしょっちゅう登場する言葉、”Spill the beans”。
直訳すると「豆をこぼす」ですが、もちろん文字通り「豆をこぼす」の意味では使われていませんよね。
今回はこの”Spill the beans”の意味を解説。
そのうえで、なぜ “Spill the beans”と言うようになったのかその起源のいろんな説と、例文なども交え、”spill the beans”をしっかり理解、意味も覚えて自分でも使えるようになっちゃおう!という記事です。
では、早速深掘りしていきましょう!
“Spill the beans” の意味は「豆をこぼす」ではない
まずはその意味を知ってないと話になりませんね。
“Spill the beans”の意味
ケンブリッジ辞書に記載されている”Spill the beans”の意味は
to tell people secret information:
to tell people secret information:
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/spill-the-beans
to let secret information become known:
「誰かに秘密を教える」「秘密にされている情報を公にする」
総じて、「秘密をもらす」という意味ですね。
“Spill the beans”の意味をweblio辞書で確認
“Spill the beans”は、英語の口語表現で、秘密や情報を漏らす、または話してしまうことを指しています。
なので、映画やドラマでこの言葉が使われるのは、「何かを知っている人がそれを他の人に話してしまう場面」です。
例えば、友達がある出来事について知っていて、それは本来秘密にしておくべきことだったのにもかかわらず、故意にまたはうっかり他の人に話してしまった場合、「You spilled the beans!」と言ってそのことを責めたりします。
なぜ?「豆をこぼす」が「秘密をもらす」 “Spill the beans” の由来
しかし、なぜ「豆をこぼす」が「秘密をもらす」になったのでしょう?
さらに”Spill the beans”=「秘密をもらす」と丸暗記するのも難しいですよね、すぐ忘れそうです。
「豆をこぼす」が「秘密をもらす」になった元のストーリーを知れば、イメージに定着しや覚えやすそうだし忘れにくいですよね。
英語のイディオム”Spill the beans”の起源には、いくつかの説があります。
古い話なのでどれも絶対に確実なものではなく言い伝えのレベルの信頼性ですが、どれも知っておけば“Spill the beans”が覚えやすくなるお話です。
“Spill the beans”「豆をこぼす」が秘密の暴露になった由来 選挙投票説
最も有力な説は、古代ローマの投票説です。
古代ギリシャの市民が政治的な決定を行う際に黒い豆を使った投票を行っていたとされています。
この説によれば、古代ギリシャの市民が政治的な決定を行う際、市民には白豆と黒豆を入った袋が投配られていました。投票する市民は、自分の支持する候補者の豆を選んで、投票箱に投じていました。
なので投票者の豆の色が見えてしまえば、その人がだれに投票するのかばれてしまいますよね。だから袋に入れた状態で豆が配られこっそり投票するわけです。
しかし、時折、投票中に誤って豆をこぼすことがあり、それによって投票が暴露されてしまうことがあったとされています。
この「豆をこぼす」行為が秘密を暴露することと結びつけられ、後に「spill the beans」という表現につながったとされています。
この説には裏付けがあって、16世紀のイギリスの劇作家、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ジュリアス・シーザー」に、”Spill the beans”という言葉が登場するそうです。この戯曲の中では、投票の際に豆が使われていることが描かれており、また、シーザーを暗殺する計画が漏れてしまったことを “Spill the beans”と表現しています。
“Spill the beans”「豆をこぼす」が秘密の暴露になった由来 英国の競馬用語説 他
時代ははっきりしませんが、だいたい17~18世紀ごろの英国の競馬用語説もあります。
馬の競走に関わる人々が情報を他の人に漏らすことを防ぐために、豆を使った符号が使われていたとされています。
競馬の結果は賭けが絡むことが多く、関係者は他の人に情報を漏らすことを避ける必要がありました。この際、馬の名前や情報を豆を使って符号化し、これを伝えたり共有したりすることがあったとされています。
豆がこぼれたり、符号が解読されたりすることで情報が漏洩する可能性があり、これが後に「spill the beans」の表現に結びついたという説です。
また、別の説によると、19世紀のアメリカで、ポーカーの際に使われていた言葉に由来するという説もあります。ポーカーの際には、カードを隠しておくことが重要ですが、カードをパラパラと落としてしまって手がばれてしまうことを “Spill the beans”と表現していたとう説があります。この表現が、後に「秘密を漏らす」という意味で使われるようになったと考えられています。
どれも明確な文献・証拠が残っているものではないのですが、知っておけば覚えやすいですね。
“Spill the beans” の例文
“Spill the beans”の意味がすっかりイメージに残ったところで、この言葉を自分でも言える語彙にしていきましょう。
具体的な場面が思い浮かぶような例文を理解したりいう練習をすることで、「意味を知っているだけの言葉」が「つかえる言葉」になってきます。
“Spill the beans” の例文を状況をイメージしながらみてみましょう。
- “Don’t spill the beans about the surprise party.”
(サプライズパーティーのことは、誰にも言わないでね。) - “He spilled the beans on his friend’s secret.”
(彼は友達の秘密を漏らしてしまった。) - “Don’t spill the beans about the project until it’s officially announced.”
(プロジェクトが正式に発表されるまで、そのことを漏らさないでね。)
“Spill the beans”と似た意味の英語慣用表現
- Let the cat out of the bag
「猫を袋から出す」この表現は、秘密が漏れてしまったことを、猫が袋から出ていってしまったことに例えたものです。比較的軽いニュアンスで使われます。
- Blab
「ぶちまける」「べらべらしゃべる」この表現は、口が軽くて、なんでも話してしまうことを意味します。
そのため、分別なく秘密を漏らしてしまう人のことを「blabbermouth」と呼ぶこともあります。
- Let slip
「うっかりもらす」この表現は、「チャンスを逃す」という意味で使われるほかにも、うっかり口を滑らせて秘密を漏らしてしまったことを意味します。「失言する」という意味の時にも使われます。
- Blow the whistle
直訳すると「笛を吹く」です。「審判がファウルをおかした選手に警告のために笛吹く」の意味です。
なのでこの表現は、「違反や不正をやめさせる」や「不正をただすために告発する」など、「告発」で公に秘密を暴露することを意味します。
- Rat someone out
この表現は、誰かを裏切って、秘密を暴露することを意味します。
ratネズミの部分は動詞で、ratの後ろには、告発される誰かの名前が来ます。
共犯者が相棒を裏切ったり、仲間を見捨てて密告したりするときに使います。
“Spill the beans”のまとめ
・意味は「秘密をもらす」
・由来は、諸説ある中で「古代ローマの選挙で投票に豆を用いたこと」が有力。豆がこぼれると投票内容がばれることから「秘密をもらす」意味に転じた説
・”Don’t spill the beans about the surprise party.”
(サプライズパーティーのことは、誰にも言わないでね。)などのいい方で使う。
いかがでしたか?
もうすっかり、“Spill the beans”の意味が「秘密をもらす」と結びついて忘れなくなったのではないでしょうか?
このブログでは、よく使われるけど覚えにくい英語イディオムの深掘りをして、イメージに焼き付け忘れにくく使える言葉にしていく記事を書いていきます。
「この英語解説して」というリクエストも受け付けていますので、コメント欄やツイッター(X)などでリクエストしてくださいね。
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