“Elephant in the room” 意味と由来と使い方 明日からすぐ使えるイディオム

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英語の慣用句(イディオム)を深掘りすることで、イメージに定着させて忘れないようにする、さらには「知っているだけ」から「使える英語」にしていこうという企画をやっています。

この記事では”Elephant in the room”。
“Elephant in the room”の意味や由来、ニュアンスや例文などをじっくり解説します。

最後まで読み終わるころには”Elephant in the room”が自分の言葉としてすっかり定着、明日の会話の中ですぐに言える生きた語彙になりますよ。

目次

“Elephant in the room” 意味と由来 象がなぜ?

“Elephant in the room”の意味

まずは意味が分からないと話になりませんね。
“Elephant in the room”、直訳すると「部屋の中の象」ですね。
もちろんそのままの意味ではありません。


ケンブリッジ辞書で”Elephant in the room”を調べるとこう書いています。

If you say there is an elephant in the room, you mean that there is an obvious problem or difficult situation that people do not want to talk about.

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/elephant-in-the-room

「部屋の中に象がいる」というのは、人々が話したがらない明らかな問題困難な状況があることを意味する。)

weblio辞書で調べてみると、「見て見ぬふりをされた問題」とあります。

dictionary
辞書で調べてみた

“Elephant in the room” どうして部屋の中に象?由来は?

英語の慣用表現「elephant in the room」は

誰もがその存在に気づいているが、誰も触れようとしない、大きな問題

を表すために使われるようですね。

“Elephant in the room” どうして象なの?

この表現の中の「象」は、もちろん文字通り部屋に象がいるわけではなくて
その場にいる人が抱えていて無視している問題の象徴です。

部屋の中に象がいて、みんな見て見ぬふりをしている状況を想像してみるとわかる

象が部屋にいる状況を想像してみると、この言葉に含まれた気持ちがとてもよくわかります
象は、大きくて目立つ動物ですよね。
もし部屋の中に象がいるのであれば、誰もがその存在に気づくはず。
しかし、その場に居合わせている人たちが、その象のことに誰も触れていない状況を思い描いてみてください。

「え?やば・・・」と思いますよね
「え、マジ?この象どうするん?」って思いますよね。
「え・・この象ここにずっとあったら困る」と思いますよね。
「誰かこの象何とかして!」と思いますね。
「でも、こいつどかすのめっちゃ大変なんじゃ・・・」と途方にくれますよね。
「どうしたらいいのか、全然わからん」って思いますよね。

その問題(象)は
・とても大きくて
・対処するのがとても大変そうで
・みんなが気づかずにいられないほどの大きさで
・でも対処するのは大変だから全員気が乗らない
・だからあえてみんな気づかないふりをしている

この問題は、とても大きく、重要で、しかしその問題に触れることによるリスクもあり、誰もその問題に向き合おうとしない。
そんな問題があるとき、そこ問題のことを”Elephant in the room”と呼ぶんですね。

象は、大きさ、重大さ、対処することの大変さ、みんなが対処に前向きになれない様子を象徴しています。

“Elephant in the room” の由来の物語はディケンズ作

「象の部屋」という表現は、19世紀のイギリスで生まれました。
1853年に出版されたイギリスの作家、チャールズ・ディケンズの小説「大いなる遺産」の中で初めてこの表現が使われました。
この物語の中で、elephant in the roomという言葉は
物語の主人公であるウィリアム・ウィックフィールドの娘、エスター・スミスが、ウィックフィールドの妻であるハリエットに、ウィックフィールドの借金の状況について話す場面で使われます。

エスターは、ウィックフィールドの借金が膨らんでおり、その借金のせいでウィックフィールドの妻や子供たちが苦しんでいることを知っていました。しかし、ウィックフィールドは自分の借金について、妻や子供たちに話そうとせず、エスターもその問題を誰かに話すことをためらっていました。

ある日、エスターはハリエットに、ウィックフィールドの借金の状況について話すことにしました。ハリエットは、ウィックフィールドの借金について知っていたものの、その問題を誰にも話すことを避けていました。

エスターは、ハリエットに
「ウィックフィールドの借金は、部屋の中の象のようなものです。誰もがその存在に気づいていますが、誰もその問題に触れようとしません」と話します。

この場面で、エスターがハリエットに、ウィックフィールドの借金の問題を直視し、その問題に向き合うように促すために、elephant in the roomという言葉を使います。

この言葉は、その後、英語圏で広く使われるようになりました。

このように、チャールズ・ディケンズの小説「大いなる遺産」の中で、elephant in the roomという言葉は
誰もが知っているけれども大きすぎて対処が大変なので誰も気づかないふりをしている問題の象徴として使われました。

“Elephant in the room”のニュアンスと使い方

“Elephant in the room”のニュアンス

英語の慣用表現「elephant in the room」は、直訳すると「部屋の中の象」という意味で、この表現は、誰もが気づいているが、誰も触れようとしない、大きな問題を表すために使われる、ということを述べてきました。

次に、実際に使える言葉にしていくために、この表現のニュアンスを深掘りしていきましょう。
この言葉のニュアンスのポイントは、大きく分けて以下3点。

1. 問題の大きさ・重要性

象は当然大きな動物です。そのため、部屋の中に象がいるのであれば、誰もがその存在に気づくはず。しかし、その象に触れる人は誰もいない状況。
これは、問題の大きさや重要性にもかかわらず誰ももその問題に向き合おうとしないことを意味していますね。

例えば、ある会社で、会社の業績が悪化していることが誰もが知っていることだとします。業績悪化は、会社の存続にとって当然とても大きな問題です。しかしその問題を解決するのは容易でないことが予想されます。なので誰もその問題に触れようとせず、問題を無視し続けている状況を、「elephant in the room」と表現することができます。

また、政治の世界でも、貧困や格差、環境問題など、誰もが気づいているが、誰も解決しようとしない大きな問題は多くあります。これらの問題も、「elephant in the room」として表現することができます。

2. 触れられることへの恐れ

「elephant in the room」の象に誰も触れないのは、恐れがあるから。
対処しようとすることによって、逆に良くないことが起きることが予想される、そんな時に抱く恐れです。

例えば、ある夫婦で、夫の浮気が問題になっているとします。しかし、その問題に触れることで、夫婦関係が破綻してしまうのではないかと恐れて、夫婦お互いにその問題に触れようとしない状況も、「elephant in the room」。

3. 問題の深刻さ

「elephant in the room」の象は、部屋の中にいるだけでなく、部屋を占拠しているほどの大きさです。象なんかが部屋にいたら、それは当然、深刻な事態ですよね。

例えば、ある社会で、犯罪や暴力が蔓延しているとします。しかし、これは根本的な社会構造の問題で、社会を根本から立て直すことなしに解決できそうにもありません。そのため、誰もその問題に触れようとせず、問題を無視し続けている状況、これも「elephant in the room」。

このように、「elephant in the room」のニュアンスは
問題の大きさや重要性
触れられることへの恐れ
問題の深刻さ
の三つがポイントです。

“Elephant in the room”を使い方がわかる すぐに言えるようになる例文

これまで述べたように

「問題がとても大きく」「対処するとさらにいろんな問題が出そう」だったり「対処がとても大変」だったりして、誰もが気が付いているけどみんなが見てみないふりをしている深刻な問題のことを”Elephant in the room”と呼ぶわけです。

このフレーズを理解しているだけではなく、自分でも使える語彙にしていくために、この言い方なら会話の中で使いやすい、明日からすぐ使える!という例文を用意しました。
ニュアンスも考えながら例文をみて、実際に口に出して言ってみましょう。
今後の会話の中ですぐに使えますよ。

  • Let’s address the elephant in the room.
    「その部屋の中の象に対処しよう。」(今まで避けてきたけどみんな気がついてるよね、さぁ、対処しようよ)
  • We can’t ignore the elephant in the room.
    「この部屋の中の象を無視することはできない。」(みんな見ないふりしてるけど、やっぱりこの問題は無視できないよ。)

  • It’s time we tackle the elephant in the room.
    「この部屋の中の象に取り組む時だ。」(見ないふりしてきたけど、いよいよこの大問題に取り組む時が来た。)

  • We need to discuss the elephant in the room.
    「この部屋の中の象について話し合う必要がある。」(見ないふりしてるけど、やっぱりこの大きな問題については話し合わないとね。)

いかがでしたか?
もう“Elephant in the room”がすっかり使える英語フレーズになったんじゃないでしょうか?

このブログでは、よく使われるから覚えたい単語やフレーズを、深掘りして解説、しっかり覚えられる使える形にしていく記事を書いています。


今後解説してほしいフレーズや単語があったら、コメント欄やX(旧Twitter)でリクエストしてくださいね。

*この記事を書いた人*
JUJU〈寿崎〉 加純

大人のやり直し英語講師

・企業様のTOEIC講習委託講師

・福岡県職業訓練TOEIC講習委託講師

・個人の生徒様のやり直し英語・TOEIC・英検・高校受験大学受験

オンラインで、個人指導・少人数グループ指導に対応しています。
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